頭痛

頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があります。
一次性には緊張性頭痛、偏頭痛、群発頭痛があります。
二次性にはくも膜下出血髄膜炎など。

主訴 頭痛

まず始めに一次性頭痛と二次性頭痛の鑑別を行う.●二次性頭痛の中でも特に命に関わるような危険な頭痛は病歴が特徴的であるため,問診が有用である.また適切な検査を行ってこれらを除外することが重要である.●二次性頭痛が除外され一次性頭痛が疑われたら,さらにより丁寧な問診を行って診断をつける(主に片頭痛,緊張型頭痛,群発頭痛の3つがある)

緊張性頭痛なら
①頭を締め付ける,頭重感がある(後頭部頭蓋周囲が多い).〈非拍動性で両側性〉
❷痛みの強さは軽度〜中等度で,日常動作によって増悪しない.
❸光・音過敏や,悪心・嘔吐を伴うことはほとんどない.
❹触診により,頭蓋周囲の圧痛増強を認めることがある.
❺各種検査にて,器質性疾患が除外される.➡緊張型頭痛と診断する.
治療 頭痛の誘因となる精神的・身体的ストレスの除去が最優先だが,重症の場合は薬物療法が必要である.⒈非薬物療法:ストレッチ,頭痛体操,認知行動療法など⒉薬物療法:鎮痛薬(NSAIDsなど),予防薬(抗うつ薬など)


片頭痛なら
❶好発:20〜40歳代の女性〈男女比1:4〉
❷視野にギザギザした光がちらついた(閃輝暗点)後,〈頭痛の前兆がある例:約30%〉またはこのような前兆がなくても,〈頭痛の前兆がない例:約70%〉
❸こめかみから側頭部にズキンズキンと脈打つような頭痛が生じ,〈拍動性〉この発作が1ヵ月に1〜5回程度繰り返される.
❹歩行,階段昇降,家事などの日常動作によって痛みが増悪する。
❺光過敏(羞明),音過敏,臭過敏,悪心・嘔吐を伴う。
発作時
①トリプタン製剤(心筋梗塞,脳血管障害,エルゴタミン製剤併用などは禁忌)
②鎮痛薬(NSAIDs,アセトアミノフェン
③エルゴタミン製剤
薬物療法:増悪因子を避け,暗く,静かな場所で安静にする。
非発作時(予防)
a.生活指導:ストレス,疲労,睡眠不足・過多,飲酒などの誘因を避ける.
b.予防薬:Ca拮抗薬,抗てんかん薬,抗うつ薬,β遮断薬など
群発頭痛なら

くも膜下出血
❶好発:40~60歳〈脳動脈瘤→男女比 1:2,40~60代に好発〉〈AVM→男に多い,20~40代に好発〉
❷“バットで殴られたような”突然の激しい頭痛,〈脳動脈瘤破裂〉(激しくないこともあるので注意.片麻痺などの局所症状はないことが多い)❸悪心・嘔吐,意識障害,けいれん,〈頭蓋内圧亢進症状〉❹項部硬直,Kernig徴候(+)など(出血直後には認められないこともある),〈髄膜刺激症状〉❺頭部CTで,鞍上部周囲にヒトデ型の高吸収域などがみられる.〈疑ったら直ちにCT!〉➡くも膜下出血(SAH)と診断する.